期待するから失望するのさ……。
超人気海外ドラマ、ゲーム・オブ・スローンズの話です。
ドラマ史上最大級のスケールで綴られた、まごうことなき神作品だったはずのGOTが、まさかの超失速を経てついに最終章(最終回)で爆死してしまった……!

前シーズンあたりから、
(あれ? 何かおかしいぞ……)
と嫌な予感がしていたが、まさかここまで酷いことになるとはっ
すっかりのめり込んで観ていたために、最終回の視聴後はしばらく放心状態でした。
あまりのショックで。
そんなやり場のない気持ちの供養のためにも、ゲームオブスローンズ最終章のどこがダメだったのか、自分の考えをまとめてみました。
これはある種の自己セラピーです。
ゲームオブスローンズ(GAME OF THRONES)とは

- HBOテレビドラマシリーズ
- 全8シリーズ73話
- 2011〜2019年(アメリカ合衆国)
- 制作:デイヴィッド・ベニオフ、D・B・ワイス 他
- 原作小説:『氷と炎の歌』/ジョージ・R・R・マーティン
原作はジョージ・R・R・マーティン著のハイファンタジー小説です。
ドラゴンあり、魔術あり。
剣と騎士と海賊あり。
7つの王国を統べる王位をめぐる争いの物語です。
1シーズンあたりの製作費が約1億ドルの、超大作でもあります。
また、スピンオフ作品『House of the Dragon』が米本国で2022年8月に配信開始しました。
さらに最近では、本作の原作者であるジョージ・R・R・マーティンがゲーム『ELDEN RING(エルデンリング)』(2022年2月)の制作に携わり、話題になりました。

重厚な世界観&難易度がヤバいゲームを生み出すことで評判(?)の、フロム・ソフトウェア産だよ!
ここがダメだよゲームオブスローンズ(GOT)最終章

そんなゲームオブスローンズの最終章が「どうしてダメだったのか」、そのポイントをまとめます。
公開から時間が経ち、もはやネタバレも何もなくなっているので、ネタバレ全開で問題点を述べたいと思います。
問題点1.ジョンとスターク家の子どもたちの結末
ダメだったポイントその1は、ジョンとスターク家の子どもたちの結末です。
まず、長〜〜い伏線の果てにやっと明らかになったジョン出生の秘密は、物語最大のどんでん返しでした。
「それまで、正式な夫婦の子でないがために軽視され、姓すらもらえなかった不遇の子が、実は正統な王位継承者だった!」というのは、ベタといえばベタだけれど最高のドラマでした。
この事実が明らかになったときには、誰もが、これからの物語進行を思って大興奮したことでしょう。
かくいう私も、

この長い物語は全て、ジョンとデナーリスが出会い、共に民を導く結末のためにあったのか!
と、膝を打ったものです……。
ジョンには誠実さと行動力と実績、それに伴う強い人望があります。
そこへ説得力のある血統が加われば、もう無敵ですよね。
展開的には、完全にジョンが天下を取る流れだったはず。

デナーリスも同じくらいのカリスマなので、希望としては共同統治してほしい!
なんて思ってもいました。
しかしその後の展開は、予想とは全然違いました。
ジョンはすっかりデナーリスの陰に隠れ、人類の敵である「夜の王」を倒す役割すらも妹(実際には従姉妹)のアリアに持っていかれてしまいました。
挙句、ティリオンに促されてデナーリスを殺め、最後は振り出しに戻って冥夜の守り人(ナイツウォッチ)行きを宣告されました。

えぇ……めちゃくちゃ優柔不断じゃん……
ジョンのカリスマはどこへ消えたの?
そして最数回では家族と離れ離れになり、ジョンはひっそりと北の雪原の中へ消えてゆきました……なんて、悲しすぎます!

唯一、仲間のトアマンドが一緒でよかった……!
またスターク家の他の子どもたちも、長年の物理的なすれ違いの果てにようやく再会できたのに、たいして団結することもなく、結局は家族全員がバラバラになってしまった。
つらすぎるラスト。受け止めきれない。
とはいえ長女のサンサが北の女王になることと、次女のアリアが広い世界に旅立つこと自体は、キャラクター性から見れば妥当と言えます。

これは仕方ないのかな……。
心情的に、アリアにはサンサの右腕になってほしかったけれども
しかし、末っ子のブランが【六王国】の玉座に座ることについては、キャラクター性からかけ離れており、強い違和感が残ってしまいました。
問題点2.デナーリスの人格崩壊
そして最大の問題点は、デナーリスのキャラクター崩壊です。
無論、唐突に【狂女王】化して街を破壊しだした場面のことです。
大切なドラゴンと側近のミッサンデイを奪われ「憎しみが爆発した」というのは、もちろん理解できます。
しかしその憎しみは、仇のサーセイへ向かうのが自然ではないでしょうか。
なぜなら民衆はもちろん、敵方の兵士たちですら、為政者に抑圧された者たちだからです。
これまでのデナーリスの行動からすれば、兵士は捕虜にした後、服従か死か選ばせたはずでしょう。
またデナーリスは、民衆に対して常に「解放者」を自称してきました。
そして降伏を示す鐘は鳴り、兵士たちは剣を捨てたことで、争いは終わったはずでした。
そこから真っ直ぐにサーセイがいるであろう主塔を崩しに向かうのなら分かります。
しかし実際には、憎きサーセイをほったらかし、ものすごく丹念に民衆を燃やし始めたのです。
いったい、何故?
この行動により、「父王は最悪の暴君だったが、王女は人民を愛し、彼らの自由を保証する真の女王となる」という、積み上げてきた物語の文脈が一気に燃え尽きてしまいました。
実際、彼女を【狂女王】化させるのが既定路線だったとしても、もう少し時間をかけ、丁寧に理由づけと心情の変化を描くべきだったと思います。
デナーリスは特に好感度の高い主要人物であっただけに、この謎のキャラ崩壊が残念でならないのです。
問題点3.他の登場人物のキャラクター崩壊や、扱いの雑さ
問題点その1でも述べましたが、スターク家の末っ子ブランが王になることをすんなり引き受けたのも、これまでの態度にそぐわないと思いました。
権力とは無縁の存在であり続ける方が、自然ではないでしょうか。
また騎士ブライエニーが、泣いてジェイミー・ラニスターに縋ったのにも驚いてしまいました。

ブライエニーならむしろ、涙をこらえて背中を押しそうだけどなぁ
このように、各登場人物のキャラクター崩壊や扱いの雑さには、首を傾げる場面が多かったです。
残り話数の関係で早足になってしまったのを差し引いても、問題だと感じます。
これまでの章は、それぞれの登場人物がとても丁寧かつ巧みに描かれていました。
だからこそ、最終章ではよけいに人物の行動の違和感が際立ってしまったとも言えます。
問題点4.最凶の悪役、女王サーセイの退場の仕方
物語上の問題点といえば、サーセイの退場の仕方がやたらとあっけなく、盛り上がりに欠けたことも挙げられます。
人類の敵「夜の王」を差し置いて、物語のラスボスに選ばれた女王としては、ショボい最期であると言わざるを得ません……。
加えてあれだけ無慈悲に残虐なことをしてきたのに、愛する人と一緒に瓦礫に埋もれて……という結末は、キレイに演出しすぎたのではないでしょうか。

サーセイにとどめを刺すのは、
サンサ、アリア、デナーリスのうちの誰かだと思ってたなぁ
問題点5.全体的に、ストーリー展開が迷子
最後に、ストーリー展開全般についてです。
場面をつぎはぎしたような展開の連続で、必要性の薄い場面で尺稼ぎをしたり、逆に描かれるべき事柄が描かれなかったりと、ストーリ展開が不安定でした。
この点は最終章が特に顕著でしたが、実はシーズン7からその傾向はありました。
後から知ったのですが、これには明確な原因がありました。
どうやら、ドラマのストーリー進行が原作小説を追い抜いてしまったらしいのです。

あっ、テレビアニメによくあるやつー!
*2022年5月現在、原作小説は未完です。
和訳版は早川書房から出版されています!
これは漫画原作のアニメなどで、度々起こる現象です。
その際の対応としては、オリジナルストーリーを挟んで進行速度を調整したり、完全にオリジナルストーリーで完結まで突き進んだりします。
つまりゲームオブスローンズも、原作を追い抜いてしまった後は、オリジナルの脚本だったということです。
ゲームオブスローンズ最終章が酷かった原因まとめ

神作品ゆえに期待値が高すぎた!
個人的な話ですが、ゲームオブスローンズは、数年前にシーズン7まで試聴済みでした。
しかし最終章の配信が始まったとき、多忙につき「いつか時間ができたら、また最初(シーズン1)から全部通しで観よう!」と楽しみにしていました。
そしてつい先日、スピンオフ作品の『House of the Dragon』が米本国で2022年8月に配信開始というニュースを得て、「いざ!」とばかりにワクワクしながら観賞したのですが……。
結果、最終章の展開と最終回の結末があまりにも期待と違ったので、しょんぼりしてしまいました。

それまでがとんでもなく面白かったから、
期待が高まりすぎていたのかもしれません……
おそらくは世界中のファンの方々も、相当に期待が高まっていたことでしょう。
そして結末に不満を抱いた人々が、最終章の撮り直しを希望する署名活動を行ったとも聞いています。
正直、気持ちは分かります。
しかし最終章の撮り直しはさすがに無理でしょうし、きちんと作品として完結しただけでもありがたいと思うしかありません。
オリジナルストーリーにシフトしたことが最大の原因か
ゲームオブスローンズ最終章のクオリティが極端に落ちてしまった原因は、やはり、物語が原作を追い抜いてしまったことでしょう。
そう考えれば、なんだか諦めがつきます。
むしろこれまで、圧倒的映像美と演出、そして俳優陣の演技の魅力を結集して素晴らしいドラマを制作してくださったことへ、感謝する気持ちが湧いてきますね。

最後の失速は残念だったけど、
それでもすごい作品だったことに変わりはないよね!
スピンオフ作品の『House of the Dragon』に、ぜひとも期待を残したいと思います。
スピンオフドラマ【ハウス オブ ザ ドラゴン】と
【ゲーム オブ スローンズGOT】はアマプラで観られます!
*追記:【ハウス・オブ・ザ・ドラゴン】シーズン1を観ました!
以下の記事に感想と考察をまとめましたので、よろしければご覧ください。
コメント