富士山攻略!体力と体質に自信がなくても登頂に成功した秘訣を解説!

インドア派でも富士登頂はできる! 日常

☆★この記事は、「富士登山に挑戦してみたいけど、体力やその他体質的に不安が……」という方向けに、実際に富士登頂を成功させた経験から、その対策をまとめたものです★☆

また、実は必要なかった持ち物や、後悔したことなどについても解説します。

特に、以下のいずれかに当てはまる方は必見です!

  • 圧倒的インドア派
  • スポーツ経験なし
  • 登山経験は高尾山くらい
  • 長距離走(マラソンなど)が苦手
  • 体力がない
  • 筋力がない
  • 過去に高山病にかかったことがある
  • トイレが近い
  • 乗り物酔いしやすい(バス移動が不安)

なお、内容は最も初心者向けといわれる「吉田ルート」のみに対応しているので、その他のルートについては参考程度にしてください。

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乗り物酔いとトイレ対策はアイテムに頼るべし!

乗り物界のラスボス バス
長距離バスという難関!

乗り物酔い対策には酔い止め薬とヘッドホンを!

富士登山ツアーを申し込むと、五合目までバス、という場合が多いですよね。
また、最寄り駅までは電車や新幹線などを利用したとしても、五合目まではシャトルバスを利用するもの。

そこで問題になってくるのが、乗り物酔いです。

対策は、単純明快!
迷わず酔い止め薬を使うことです!

私自身、ものの10分で車酔いできる体質なのですが、酔い止めを飲んだ上で酔ったことは一度もありません。

遠野
遠野

製薬会社の皆さん!
愛してます!!

また、酔い止めを飲んだ上で、さらにノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンなどを使い、ひたすら音楽で気を逸らすのがおすすめです。

そして、目をつぶるのも効果的。
乗り物酔いというのは、視界に映る景色の流れるスピードと、体が感じるスピードの間のズレによって生じるらしいです。

だから視界をシャットアウトして、ズレそのものをなくしてしまえば良いのです。

トイレ対策には大人用紙おむつも検討を

次に、トイレ対策です。
登山中はもちろん、行き帰りのバス移動の間も、トイレに行けるタイミングは限られています。

トイレが近いという方は、大変心配でしょう。

私自身、トイレが近い上に、過敏性腸症候群という持病があります。

*過敏性腸症候群……下痢や便秘などのお腹の不調を一ヶ月に3日以上繰り返す。腸に炎症などの異常は見られず、原因はよく分かっていない。なぜか、大事なイベントなどの「ここぞ」というときにお腹を下すので、大変つらい。

遠野
遠野

果たして人類史上、これほどまでに登山や旅行に向いていない個体が

存在しただろうか(いや、ない)

そんな私でも富士山の山頂の土を踏むことができたのですが、実は最後の切り札として大人用紙おむつを準備していました。

最近では、普通の布パンツと変わらないくらいの履き心地の商品があるのでおすすめですよ!

とはいえ、ちょっと頻尿気味くらいの方は、ここまでの対策は必要ありません。
なぜならバスもこまめにトイレ休憩を入れてくれるし、登山中も吉田ルートならば山小屋が点在しているので、よほどのことがなければ我慢できないということはないからです。

体力&筋力がないことへの対策は、事前準備が肝!

鍛えるのは心肺機能と筋力
登りと下りで必要な要素が違う!?

事前トレーニングをすればするほど本番が楽に

まず、少なくとも数ヶ月前から軽くでもジョギングなどの訓練をしておくことをおすすめします。

登りは、とにかく心肺機能が大事です。

平地ならばたいしたことのない傾斜でも、高所ではちょっと歩いただけで苦しくなってしまいます。
事前に少しでも心肺機能を鍛えておけば、それだけ当日の登山が楽になるはず。

また、下りでは足の筋力の耐久力がものを言います

下りは、登りおよび平地を歩くのとはまた違う筋肉に負荷がかかるので、低山でも良いから、定期的に登り下りして筋力トレーニングの代わりにすると良いです。

さらに登りに関しても、後半になると足が持ち上がらなくなってくるので、腿上げなどのトレーニングが有効です。

持ち歩く水は、常に500ml以下に

上記のトレーニングをしても体力、筋力に自信がないのなら、何はなくとも荷物は必要最小限にした方が良いです。

特に、持ち歩く水は常に500mlペットボトル1本にすべし。
これは「全日程の総量」ではなく、「一度に持ち歩く量」です。

荷物が軽ければ軽いほど登頂できる確率が上がります。
その点、水は一番重いので、持ち歩く量はできるだけ少量に抑えたいところ。

幸い、富士山の吉田ルートには、「これでもか!」というくらい山小屋があります。
500mlを一本持ち歩き、無くなる前に買い足す、というのを繰り返せば、体力消耗を抑えることができるのです。

ただし、このペットボトル1本持ち作戦には、デメリットもあります。
富士山では500mlの飲料水(ジュース類含む)が500円程度と少々高額なのです。

高度まで運ぶのにコストがかかることを思えば、高額すぎるということはないのだが、それでも財布は痛い。

しかし体力に自信がなく、かつ登頂することを最優先にするなら、最も効果の高い投資であるといえます。

ちなみに、実際に私が2日間で移動中に飲んだドリンクの総量は、500mlのスポーツ飲料3本と、緑茶250mlでした。
つまり、全部で2ℓ近くの水が必要だったということになりますね。

しかしその量を全て持って歩いていたら、決して登頂できなかったでしょう。

高山病対策は「深呼吸」だけ! 酸素缶は気休め程度

なにはなくとも深呼吸!
毎呼吸深呼吸!

富士山は五合目の時点でなかなかの高所なので、そこから標高が上がるにしたがってどんどん高山病のリスクが高まります。

しかし高山病については、事前に対策できることはほとんどありません。
せいぜい前日によく睡眠をとっておくことくらいです。

そして当日登山中の対策としては、とにかく深呼吸をすること。
常に深呼吸。
これだけ。

ときどきではなく、毎呼吸、深呼吸するくらいの気持ちでちょうど良いです。
特に岩場など、足運びに集中しているときは呼吸を止めがちなので、深呼吸を忘れないこと。

登山ガイドさんが一緒なら、数分おきくらいに「深呼吸して」と声かけをしてくれるので、ありがたいです。

ちなみに、登山ガイドさんいわく、酸素缶は吸っている数分の間は楽になるが、吸い終わるとよけいにつらくなるのでおすすめしないとのことでした。

また、山小屋で仮眠している間はどうしても意識して深呼吸ができないので、高山病になりやすいです。
かといって全く寝ないのもまた危険なので、せめて眠る前までと起きた後は、深い呼吸を心がけましょう。

余談ですが、私は過去にハワイのマウナケア山で天体観測をした際、高山病を発症したことがあります。
だから今回の富士山も、正直ダメかもしれないと思っていました。

しかし今回は、山小屋での仮眠後に軽い頭痛がしたくらいで済み、それも深呼吸を意識しているといつのまにか治っていました。

とにかく毎呼吸、深呼吸をしたおかげだと思っています。

意外と役に立った持ち物3選!

意外と役立ったもの
あって良かった……!

次は、「それほど重要性を感じていなかったのに意外と役に立ったもの」を解説します。

ストックは絶対に絶対に必要!

意外にも必需品だったのは、ストックです。
登りは登りで支えになってくれましたが、ストックが本領を発揮したのは、むしろ下山時です。

正直、ストックがなければ、自力で下山できなかっただろうと思います。
というのも、下山開始当初はサクサク歩けていたのに、中盤から、急にまともに歩けなくなったのです。
痛みなどは特にないのですが、おそらく脚の筋肉を酷使しすぎて、キャパを超えてしまったのだろうと思います。

具体的な症状は、膝がガックガクになって全く力が入らず、ちょっとでもバランスを崩そうものなら転倒しそうになるというものでした。
まるで生まれたての子鹿で、ストックなしでは歩けませんでした。

感覚としては、(正座などで)足が痺れているのに無理やり歩こうとしたときに似ています。
自分の脚なのに、力加減が全くコントロールできないのです。

ただ不思議なことですが、下山時でもちょっとした登り坂があると、普通に歩けます。
しかし下りになったとたん、再び膝が笑い始め、ヨボヨボになってしまうのでした。

遠野
遠野

登りと下りとでは、どうやら使う筋肉が違うようですね

ところで富士山では、自力で下山できなくなった人のために、5合目でお馬さんが待機してくれています
何度かすれ違いましたが、とても可愛かったです!
どうやら救護所などから連絡を受け、迎えに行くシステムのようです。

そんなお馬さんに乗って下山するのはいかにも楽しそうですが、いかんせん、料金が高額です(聞いた話では万単位)。
お馬さんのお世話になりたくなければ、ストックは絶対に持参すべきです。

なお、「普段登山をしないし、今後趣味にする予定もないよ!」という方は、私のようにレンタル品のストックを借りるのが正解でしょう。

富士登山・登山道具用品やまどうぐレンタル屋公式

膝サポーターもあった方が楽

ストックと同じ理由で、膝サポーターも役に立ちました。

下山時に自由の利かなくなった膝の屈伸を、多少なりともサポートしてくれました。
おかげで転倒を免れたと思っています。

ただし登山時と下山時で装着の仕方が異なり、間違えて着けてしまうと意味がないどころか逆効果なので、注意が必要ですね。

にがり(塩化マグネシウム)もあった方が安心

普段あまり運動をしない人が、急に足の筋肉を酷使すると、ふくらはぎや足指が「攣る(つる)」ことがあります。
登山中は足が攣っても気軽に靴を脱いでマッサージすることもできないので、痛いし、結構つらい。
場合によっては転倒しかねないので危険でもあります。

そこで、にがり(塩化マグネシウム)をほんの数滴、飲み物に混ぜて飲みました。
すると、効果テキメン!

実は、にがりについては持参したわけではなくて、足が頻繁につった初日の夜に、ガイドさんから分けていただきました。

一口分くらいの水に3滴くらい入れてもらい、飲みました。
少し苦かったが、不味いとは感じませんでした。

すると翌日は、一度も足がつらなかったのです!
にがりの効果で間違いないと思います。

意外といらなかった持ち物2つ

意外と不要だったもの
行動食にバリエーションはいらない

トイレットペーパーを持参する必要はない

富士山の登山情報を調べていると、「万一に備えて少量のトイレットペーパーを持っていけ」と書いている場合が多いです。

しかし実際は不要でした。

なぜなら、富士山に設置されている各トイレは意外と管理が行き届いており、トイレットペーパーのないトイレなど一つもなかったからです。
体力的に少しでも荷物を減らしたい方は、持って行かない方が良いでしょう。

いろんな種類の行動食は不要

行動食とは、登山中、エネルギー不足に陥らないためにちょこちょこと摂取するおやつ類のこと。
「甘いものやしょっぱいものを数種類持参すると良い」という情報が多く見られるが、実際にはゼリータイプの栄養補助食品(inゼリーなど)と飴ちゃん数個だけで充分でした。

なぜなら、登山中は食欲なんて全然ないので。
特に登りでは固形物を食べる気力がないこともしばしば。

しかし無理にでもカロリーを取らないと、低血糖で動けなくなる可能性があります……。

その点、ゼリー飲料ならほぼ飲み物なのでするっと喉を通ります。
エネルギーやミネラルが手軽にチャージできて、さらにキャップがついているので休憩時に少量ずつ飲むことができます

遠野
遠野

ゼリー飲料、最強!

ゼリータイプの栄養補助食品を1日1つ消費するとして、2日分で2つあれば、他の行動食なんていらないくらいのレベルで万能です。

ただ、ゼリー状で水分を多く含むので、重いのが難点。
余分に持っていきすぎないように気をつけましょう。

あとはキャンディ類も、舐めながら歩けるのでグッドですね。
辛さを紛らわせたり、唾液の分泌を促進して口の中の乾燥を防げたりするのでおすすめです。

やっておけばよかったな、と後悔したこと

後悔先に立たず
やっておけばよかったなぁ

足指の爪をあらかじめ保護する

痛い話で恐縮ですが、実は下山時の衝撃で、足の親指の爪が両方とも1/3くらい剥がれてしまいました。
下山中、靴の内側に爪が当たっている感覚と、多少の痛みがありました。

(アッこれ、爪やばいな)とは思っていたのですが、下り坂でガクガクする膝との格闘に必死で、それどころではありませんでした。

下山後に確認すると、やはり両親指の側面の爪が若干浮いており、その部分の色が白っぽい。
さらに時間が経つと、剥がれていない部分も赤黒く変色しました。
おそらく内出血です。

こうならないために、あらかじめテーピング用のテープや指サックのようなもので保護しておくことを強くおすすめします

日焼け止めリップクリームは必要

もう一つ、持っていけば良かったと思ったのは、日焼け止めリップクリームです。

紫外線の強い高所へ行くということで、顔や首周り、そして腕は日焼け止めをばっちり塗っていたので、日焼けはほとんどしませんでした。

しかし、下山後、唇に違和感が。
妙にヒリヒリするのです。

鏡で確認すると、なんとミミズ腫れのようなものが複数できていました。
日焼けを通り越して、ほとんど火傷です。

今までの人生で、意識して唇に日焼け止めを塗ったことなどなかったため、ノーマークでしたね。

とはいえ、顔全体に日焼け止めジェルを塗る際に、多少は唇にもついていたでしょう。
しかしどうやら、登山中は頻繁に飲食をしたり、乾燥を誤魔化すために軽く舐めたりなどするため、唇の日焼け止めは落ちやすいようです。

気になって調べてみると、日焼け止め効果のあるリップクリームがあったので、おすすめしたいです。

体力、体質に不安があっても富士山登頂は夢じゃない!

富士山頂から
富士山頂から。最高の気分だった!

そんなわけで、2022年8月某日、私は富士山登頂に成功しました!

正直、山頂に到達できるとは思っていませんでした。
しかし私には、

遠野
遠野

やはり日本人たるもの、

一度は【霊峰・富士】へ参詣せねばなるまい!

という謎の決意があり、体調的にどうしても無理でなければ頑張るつもりでいました。

だから登頂に成功したとき、私はものすごい達成感を味わいました。
なにしろ、体力的にも体質的にも登頂など夢のまた夢だと思っていたのだから、感動もひとしおでした。

しかし登頂直後に胸を満たしたのは、

遠野
遠野

ああ、これでもう二度と(富士山に)登らなくて済む……!

という喜びでした。
身もふたもないように聞こえるかもしれませんが、実際、それくらい苦しかったのです。

それでも今では富士の姿を目にするたびに、「あの日本一の山に、自分の足で登ったんだなぁ!」と思えて、より愛着を覚えるようになったので、登った甲斐があったというもの。

ともかく、圧倒的インドア派で人類最弱級の私でも、こうしてなんとか富士山頂の土を踏むことができました。
したがって健康な方がきちんと事前準備を行い、かつ天候に恵まれれば、登頂は可能なはずです!

最後に、経験豊富で親切な登山ガイド様と霊峰富士に感謝を申し上げたいです。
登頂させていただき、ありがとうございました!

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